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日経225オプション取引で1億円を稼ぐまで デルタニュートラル実験、ここまでを振り返る
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デルタニュートラル戦略を始めて、約1か月がたちました。
想定通りの利益がでているのかなどについて、振り返りをしてみたいと思います。

この戦略を始めて結構ポジションが変動しているので、実際のところ過去に予想した利益と実際の利益を単純に比較するのは困難です。しかし、4月末のポジションと現在のポジションは比較的近いと考えられるので、それをもとに比較してみます。

■4月末の想定
 下記の過去記事をご参照ください
 デルタニュートラル実験、利益予想と今後の戦略 

■上記を元にした、現時点の予想利益
 ・5月に入ってからの日経225のボラティリティを計算すると、12.2%です。
 ・予想時点で、フューチャーボラティリティが11%ならば、予想利益439000円
  フューチャーボラティリティが14%ならば、予想利益714000円でした。
 ・実際のヒストリカルボラティリティが12.2%だったので、予想利益を
  比例計算して出すと、549,000円になります。
 ・4月末時点で、6月SQまでは、27営業日でした。現時点では12営業日消化して
  います。
  上記549,000円を、営業日数で換算すると、予想利益244,000円となります。

■4月末から現在までの利益
 4月末から現在までの間の利益ですが、途中デルタニュートラル以外の戦略を実施し
 損失を出していますので、その分を除外して利益を出します。
 ・4月末日時点の通算損益評価額…+4,585,989円
 ・5月18日現在の通産損益評価額…+4,640,591円
 ・デルタニュートラル以外の損失… -303,318円
 ──────────────────────
 ・5月のニュートラル実験の利益… +357,920円

■予想利益と実現利益の差について
 うれしいことに、予想利益<実現利益となっています。
 その理由をいくつかあげておきます。
 ①この戦略は、値洗いの誤差が非常に大きい
  例えば、現在6P160を20枚売っています。1ティックの値幅が5円なので、
  終値でのプレミアムが25円なのか30円なのかで、10万の差が出ます。
  同様に、先物を4枚売っていますが、1ティックの値幅が10円なので
  上で、決着するか下で決着するかで4万円の差が出ます。
  そんな状況なので、スリッページコストに相当する値幅だけでも20万円以上の
  差が出ます。
 ②4月末と現時点のポジションの差について
  4月末時点では、コール買い>プット売りのガンマがプラスのポジションでした。
  現時点では、コール買い<プット売りのガンマがマイナスのポジションになって
  います。
  5月に入ってからは、ボラティリティが低く、ガンマがマイナスの方が損益面で
  優位です。

■この戦略で利益が出ているのだろうか?
 値洗いの誤差が非常に大きいので、評価するにはまだ少し早いと考えています。
 ただ、感覚的には利益が出ていると思います。
 少なくとも、損失になる戦略ではないといえそうです。

■この戦略の難しい点や弱点など
 ①大暴落に弱いポジションです。特にガンマがマイナスでプット売りが優勢の現在は
  危険な状態です。コール買いを優勢にして、ガンマをプラス、ベガをプラス、
  セータを0あたりにしておけば、危険度が少なく、居心地がよいと考えています。
 ②証拠金管理が難しいです。日経225が上昇すれば、コール買いが優勢の
  ポジションになり、必要証拠金は減少、逆に日経225が下落すれば、必要証拠金が
  増加します。証拠金の管理が非常に重要になるので、「必要証拠金額」と
  「証拠金余力」を先日よりモニタしています。特に「証拠金余力」を
  注意してみています。
 ③デルタニュートラルに保つのが難しいです。時間経過とともにオプションの
  プレミアムがはげていき、デルタは先物売りの値に近づいていきます。つまり、
  毎日デルタが少しずつマイナスになっていきます。それを補正するために、
  毎日デルタヘッジが必要です。また、IVの増減によっても、デルタが
  変動します。IVが高くなれば、オプションのプレミアムは高くなり、
  デルタはプラス側へ変動、逆にIVが低くなれば、デルタはマイナス側へ
  変動します。
 ④リスクパラメータ上のデルタを0にした場合、実際の値洗いはデルタニュートラルに
  なりません。体感値でデルタニュートラルにするには、デルタをややプラスに
  傾けておく必要があります。何を言っているかというと、ざらば中に日経225が
  上昇するとコール側IVが減少し、プット側が増加する傾向があります。
  日経225が下落の場合は、その逆の傾向があります。その為にデルタをやや
  プラスに傾ける補正をしておくと、丁度良くなります。

■まとめというか
 この戦略で、一応利益がとれそうな感じです。まだ確信をもてたわけではないですが、もうしばらく運用すれば、結果がわかると思います。ということで、実験を継続します。
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは
てつやさんの考察・検証・日々のポジ公開には敬意を表します。
少し客観的な質問をさせてください。
この戦略が有利なのは、おそらく、デルタやガンマに影響されず収益をあげられることだと思いますが、これはそのとおりだとしても証拠金問題をクリアする必要がありますね。実際1000円のGDというのはありえ、それも見越して有利な戦略とは何か?
例えば、コールクレジットやコールレシオを期近だけでかける場合、資金的に無理しない限り、大きな失敗はないように思います。ロングコンドルでも同様だと思いますし、NOPSでもヘマをしなければそこそこ利益はとれると思います。
退場した杜レーダーは戦略が不利であったわけではなく、戦略と証拠金管理に失敗しただけだと思うのです。そして、デルタニュートラルといえど、この点は同じだと思います。
私には、デルタとガンマをヘッジするかわりに日々トレーディングする必要があるこの戦略が他の戦略と比べ、特別に優位であるとは思えないのですが。
てつやさんは、客観的に何と何を比べて、どう優位なのだと思われますか?
ぜひ、冷静に知りたいと思い、質問させていただきました。
2007/05/19(土) 22:22 | URL | すみパパ #-[ 編集]
すみパパさんへの返信です
すみパパさん、コメントありがとうございます。

この戦略の優位性ですが、NOPSなどの単純な売り戦略やレシオスプレッド(売りが多めのも)と比べています。そして、比較対象はガンマがマイナスの現在の私のポジではなく、ガンマをプラスに調整したポジで考えたいと思います。

上記前提で、優位性は
・相場の上下に対する読みが必要ない(NOPSでもこれは大事なことと私は考えています)
・大暴落に強い(利益になるといっているのではありませんが、証拠金不足で強制決済になったとしても、その損失は限定的だと考えています)
・証拠金あたりの利益率が結構高い(これは、もうちょっと検証が必要です。今のポジは証拠金が多くなっていますが、ガンマをプラスに傾けると証拠金は今の半分になります。そして、証拠金あたりの月間利益率は2割~4割程度だと思います。証拠金の余裕を考えると、その半分程度に落ちると思いますが、それでも悪くない数字だと思います)

不利な点は、毎日お世話しなければいけない事です。ポジティブガンマ、かつ、デルタニュートラルで利益を得ようとする場合、必須だと思います。

ただ、常にこの戦略をすれば良いというわけではなく(他の戦略でも同様なことがいえますが)、大暴落時の対処方法の検討が必要ですし、IVが高い時はレシオを組み、低い時はカレンダや変則カレンダーを組むといった戦略を混ぜることにより、一層の安定した利益が得られるのではないかと思っています。大暴落時避難訓練計画やIVの上下を狙う戦略については、今後の私の研究課題だと思っています。

最後に付け加えます。
この戦略の優位性の源泉は、IVの高いファーOTMのプットを売りをデルタニュートラルで運用することです。これは即退場になりかねない危険な戦略です。そこで、リスクヘッジとしてIVの低いOTMコール買いを入れデルタニュートラルで入れています。通常はリスクヘッジをするとそのコストが必要ですが、この戦略の場合は、長期的に見ればコストではなく、多少のリターンが期待できます。
この戦略は、別の見方をすれば、高いIVを売って低いIVを買う、IVのさや取りだと思っています。このさやはSQまで持ち続ければ、ほぼ間違いなくとれるさやだと思っています。思い通りにいかないタイミングが大暴落時です。高いと思って売ったIVが大暴騰し、運の悪いことに証拠金も跳ね上がり、悪いタイミングで撤退しないければいけません。

以上のような感じでしょか。まだまだ課題も多いのですが、もう少し運用すれば、本当に優位な戦略なのか実際はそれほどでもないのかが見えてくると思っています。
2007/05/19(土) 23:58 | URL | てつや #6AObPM3w[ 編集]
レスみました。
てつやさん、すみパパさん、
ご丁寧なご回答ありがとうございます。

私なりの取り組み方ですが、
証拠金に対する利益率で自身の目標値に達したらクローズする。
利益確定で今後起こりうるリスクも同時回避。
余力にて次の仕掛けを行う事も出来る。
検証すればするほど、
私にはこの辺のレシオ仕掛けはあっているのかな~と思います。

仕掛け時期とタイミングのヒントをもう少し研究したいのですが、
SQ後数日に、次の限月のレシオを仕掛けるのが時間価値の変化の面でも
過去データやイメージとしてはいいのかなと思っています・・・
2,3ヶ月先は価格が高いメリット(売り)はありますが、
そんな先の相場は読めるのかが疑問です。。

タイミングが重要とおっしゃっておりましたが、
残存日数の面でも構いませんので、
すみパパさんの経験としては如何でしょうか。

私の少し頑張った検証結果です。。(笑)
・SQ→次のSQ迄の±値幅
・残存日数別変化にて次のSQ迄の±値幅
過去10年程数値を拾ってみました。
面白い結果でした・・・

カレンダーは一週間前にも作用すると以前おっしゃっていたので、
権利行使価格を選ぶ際に有効だと思いました。
ショートS系にも短期利益(これも目標利益率)を取るのには使えるかもです。
一つだけ言える事は、簡単に値は下がるけど(暴落含め)、
上げるには相当なパワーや期間が必要な事ですne。
2007/05/20(日) 04:37 | URL | 美紀子 #-[ 編集]
てつやさん、ありがとうございます。
ご丁寧返信ありがとうございます。デルタニュートラルが1つの有利な戦略であるとは思いますが、しかし、まだ、疑問があります。おそらく、てつやさんの回答に中に含まれているとは思いますし、また、同じデルタニュートラルでもポジによりことなるとは思いますが、
・スリッページコストがかなりかかるとおっしゃていましたが、それでも毎月利益になりえる(予定)なのですね?
・ATM近辺でガンマ0であっても、Farでガンママイナスになるようなポジはやはり暴落時に証拠金増大となり、これの対策は、増大になってからでなく、予め立てておく必要がある。以前の買いの多いカレンダーは1つの解決策でしょうか?
・運用時にわかることは、あくまでその相場環境でのことでしかないのですが、過去データによりバックテストできないのでしょうか?
・他との比較ですが、SS,NOPSよりは仕組み的に優れた方法かもしれません。しかし、ロングコンドル、コールレシオやこれらを中心とした合成ポジションは勝ちやすい(大負けしない)戦略だと思いますが、どちらが優位というのは、例えば一定の条件下で過去何年分かのデータで運用した結果を比較しない限り一概にはいえない気がしています。
2007/05/20(日) 05:48 | URL | すみパパ #-[ 編集]
美紀子さんへ
#てつやさん、人のブログにいろいろカキコして、すみません。
>私なりの取り組み方ですが。。。
私も同じようなスタイルです。
但し、クローズのタイミングは利益率でなく、期中損益曲線と相場環境を睨んで、もうこれ以上待っても利益がとれる確率が少ないと思ったときです。実は6月レシオはリカクポイントに来ています。ここから(変則)カレンダーを追加して補正することも可能ですが。
タイミングは、6週前くらいから指数とIVをみながら図ります。
>過去10年程数値を拾ってみました。
これは、指数のボラですか?レシオがどうなるかですか?私は10年ではないですが、両方やりました。こういうバックテストでイメージを持つことこそ重要なことです。なんとなく運用して相場環境が変わってパニくることを避けることができますので。
カレンダーは相場感の問題です。実際、私は、4月SQ1週前のエントリーで利益をあげました。相場感を多少なくせるのがWカレンダーですが、限界があります。
SSは暴騰・暴落時も利益率の面でもロングコンドルに劣ります。1500円幅のロングコンドルの1年間の勝率&利益率はかなり高いのではないか、と思っています。検証していませんが、9割方勝って、1割が損失でトータル利益額では勝ちなのではないかと思います。

2007/05/20(日) 06:04 | URL | すみパパ #-[ 編集]
美紀子さん&すみパパさんへ
美紀子さん&すみパパさんへ
お2人のやり取り、大変参考になります。私のブログでよろしければ、どんどん使ってください。大歓迎です。美紀子さん、いろいろ研究されているようですね。おもしろい結果などが見つかれば、コメントしていただけるとありがたいです。すみパパさん、ロングコンドルは確かに面白そうですね。研究価値がありそうです。

すみパパさんへ
いろいろご質問いただいていますが、順番に回答していきたいとおもいます。

が、その前に、現在の私のポジションですが、プット側でみればデルタヘッジをしたレシオスプレッドです。コール買い+先物売りの合成ポジションは、プット買いとほぼ同等の損益曲線を示しますよね。とすると私のポジションは、ITMのプットを買ってOTMのプットを売ったレシオプットスプレッドと同等となります。具体的には、6P180買い8枚+6P165売り8枚+6P160売り20枚+6P155売り3枚+デルタヘッジです。暴落などを考える時は、こういう風にポジションを考えておくと考えやすいかもしれません。ついでに、いうと、レシオを建てるタイミングですが、外側のIVが高い時期を狙うのが良いですが、私のポジの場合、スマイルカーブの関係上、このポジを建てようとした時は大体その関係があります。

>スリッページコストが…
私の書いている意味ですが、毎日の値洗いに関して書いていました。上で決着するか下で決着するかにより値洗いが大きく変わってくるということです。ということは同様に、ポジションを建てる時、クローズする時もそのコストが必要だということですね。その分を考えても利益になると思っていますが、スリッページコストによるロスは結構大きいとおもいます。

>ATM近辺でガンマ0であっても…
大暴落時の対策は立てておく必要があります。今、ぼんやり考えているのは、NY株大暴落などの外的要因の大暴落がとなった場合の対策です。多分その日のIVはじわりと上昇していくと思います。なので、朝寄りで、プット売りを全部決済+期近OTMプット新規買い+期先OTMコール買い、を行い、ざら場のIVが上昇していくのを待ちます。そして、利がのったらポジション縮小です、その日の大引けまでのどっかで利確します。その後、ベガショートへ変更します。そのタイミングは当日なのか、翌日以降なのかはその場で判断なのかなと思っています。…のようなことを考えていますが、具体的には今後の課題です。

>運用時にわかることは…
過去データで、IVやギリシャ文字があればできるのですが、残念ながら持っていないのでできません。ただ、先日の3月の大暴落前後のデータはありますので、検証してみようと思います。

>他との比較ですが、
確かに、その通りです。いろいろ検討してみたいと思います。今後の課題ですね。
2007/05/20(日) 08:48 | URL | てつや #Ju3Ta2N2[ 編集]
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